物の衣替えは気候に合わせて臨機応変に
着物の衣替えは洋装と違い、いまいち感覚がつかめないので、少し暑かったり、寒かったりしても、教科書どおりに着てしまいがちです。実際、私たち専門店でもお客様に聞かれた場合、どのように答えるか迷うところです。基本的に袷(あわせ)は10月~5月、単衣は6月と9月、絽は6月中旬~9月上旬、紗や麻は 7月、8月ですが、実際プライベートで着用する場合、私は4月からでも単衣を着てしまいます。 洋装の場合、とくに、4月、5月頃は毎日気候が変化するので、同じ季節でもまったく違った装いになってしまうことがあります。着物の着方が確立された時代と現代では気候も環境もかなり違っているので、着物だけきっちり決まりに合わせなければいけないということはないと思います。 確かにプライベートで着る場合でも、あまり季節はずれの格好だと、野暮になってしまいますので、あくまでも基本は押さえた上で、型にとらわれすぎず、すこしづつ前後させて自分なりに楽に着られる着物を選んでいくことも、着物を気軽に楽しむコツです。ただし、お茶などのお稽古事の場合は、流派や先生の方針がありますので、自分だけで判断せず、しっかりと先生や先輩の指示を仰いでください。もっと着物をたのしみましょう!