こ れか らの単衣の時期にもぜひ使って頂きたいからです。
沖縄に芭蕉 布という織物があります 。お着物に詳しい方はご存知の方も多いと思います。 沖縄の織物は本土とは違った、独特の風土が生んだ夏を連想させるものが多く、 芭蕉布は夏のイメージ、そして夏の織物の代名詞 でもあります。なぜこの時期に夏の織物芭蕉布について書いているかといいますと、少し芭蕉布についておさらいしますと、芭蕉布は15世紀頃から織られており、古くは中国や本土への貢物から庶民の衣装としても使われていて、まさに沖縄に根付いた織物でもありました。 しかし、芭蕉布も第二次世界大戦の頃には一度途絶えかけたました。そんな芭蕉布を復活させ工芸の域にまで高めたのが、重要無形文化財保持者(人間国宝)の平良敏子さんです。
芭蕉布はタテ、ヨコ糸に糸芭蕉の茎から作った糸を使います。
糸芭蕉の茎は玉ねぎのようにいくつもの皮がかさなりあって出来ています。皮は外側は固く内側に行くに従って柔らかくなります。
その皮は採れる部分によって、外側からテーブルセンター、ネクタイや帯、着物、そして一番真ん中の柔らかい部分は染色用に使われます。
着物や帯用として採れた糸の中でも硬いものや色の付いたものはタテ糸に柔らかいものはヨコ糸に使います。
さて、冒頭の話は戻りますが、帯は単衣にも使って欲しいと平良敏子さんはおっしゃているようです。確かに清涼感満載の着物は無理にしても、今の単衣の時期はほぼ夏の気候に近いので、帯ぐらい涼しげにしてもおかしくないですよね。そうやって利用幅を広げて使っていくことが、消えゆく各産地の織物を守っていくことにつながるのかもしれませんね。
この帯の美しいキモノの2013年夏号にも掲載されました。柄は平良敏子さん考案のアササ(セミ)の柄です。セミは永遠の生命の象徴で大変重宝される柄だそうです。 この商品はネットショップでもご覧いただけます。