梅雨も終わりに近づき、カラっとした盛夏の訪れを感じる7月某日。
江戸更紗の三代目更勝さんの工房にうかがいました。
場所は東京都葛飾区堀切。
葛飾区の勝手なイメージですが、典型的な東京の下町。(間違っていたらごめんなさい)
工房につくと風になびく反物が迎えてくれました。すごくきれいで、写真を撮ったはずなのにうまく撮れてなくてアップできないのが残念なのですが、
外で反物を張って最終工程を見せていただきました。
型染めの終わった反物に最後、色を落ち着かせるために薄い色をかけていきます。こうすることによって全体に色が馴染むのだそうです。
『手染めは機械染めと違って筆の置き方やその時の気候によっても少し染めあがりが変わってしまう。』と社長の青木さん。
ここからは自分の主観なのですが、
職人さんはもちろん何十年かけて均一な完璧な仕事を目指されます。また、お客様に商品を提供する以上はかなり高い水準の仕事はされます。
しかし、人間がやる以上は絶対にその日の体調だったり気持ちのノリ方だったりで完璧になることはありません。
仕事としては絶対的に機械の方が完璧なのです。
しかしながら、色々な工房を見させていただいたり、色々な着物を見れば見るほど、完璧ではないはずの手仕事の方に人間は惹かれてしまうのはなぜなのでしょう。
手仕事と先に聞いてしまうから、勝手に自分の中で魅力を増幅させているだけなのか、たまたま魅力を感じたものが手仕事のものだったのか、今となってはわかりませんが、『手仕事のもの』には、あいまいがゆえのゆらぎ、はたまた広がりを感じさせるストーリーが内包されているような気がします。少し脱線しましたが、
お天気のいい夏場だと小一時間もしないうちに乾いてしまいます。夏場の外に干してやる反物と、梅雨の時期に室内でやった反物と発色の仕方が違うそうです。どちらがいいというわけではなく、天候などいろいろな状況に合わせながら、仕事をするのが、この仕事のおもしろさだそうです。
三代目更勝さんの工房を訪ねて②につづく