改めてなんですけど、みなさん西尾市をごぞんじですか?
西尾市は愛知県の南、三河湾に面した場所にあります。数年前に吉良町、幡豆町、一色町と西尾市が合併しました。かわちやは西尾市のなかでも、旧吉良町にお店をかまえています。
そして、西尾市の特産品はというと、
わかりますか?
そう、お茶畑です!
西尾市は抹茶の生産量が全国一で、全体の30%の生産量を誇るそうです。
なぜこのようなことを書き出したかと言いますと、
西尾市の名産のお茶の草木を染料にして、着物を作ろうと計画しています。
お茶染めの着物というわけです。
それでは、どんな色に染まると思いますか?
そうですよね、
ほとんどの方がお茶の緑を想像すると思います。
でも、天然のお茶の草木で染めた場合、緑色ではないのです。
答えは、 鉄媒染を使った場合、紫系のグレー、アルミ媒染を使った場合、茶系の色になります。(媒染とは草木の染料を定着させる工程で、鉄、アルミ、銅など、それぞれの媒染剤によって色が変わる。大島紬の泥染も鉄分の多い泥、つまり鉄媒染剤にくぐらせて、色を定着させているのと一緒である。 )
この西尾市吉良町でとった、お茶の木々をこんどは山形県白鷹町の工房に送り、糸を染め織物を織って貰います。
さて、この山形県白鷹町とは西尾市吉良町とはとてもゆかりのある場所なんです。
歴史的にいうと、現在織物の産地である山形県置賜地方は上杉家9代目上杉鷹山(うえすぎようざん)が困窮する米沢藩の財政を立て直すため養蚕と織物を奨励して、その後養蚕、織物の大産地となった場所。白鷹町は米沢藩の北の端になる地域なんです。
それゆえ、現在でも織物に従事している方がたくさん見えます。
そして、わが町のお殿様吉良上野介(きらこうずけのすけ)の息子綱憲がその上杉鷹山の5代前の米沢藩の藩主。
今回時代を超えて吉良家と上杉家のコラボの織物を作るとて、西尾市吉良町のお茶で染めた織物を作ることになりました。
お茶畑の刈り込まれたイメージがありますが、自然に生えた木はこんな感じなんですね。お茶の木は大きいものは7~8メートルになるものもあるそうです。
というわけで吉良町の知り合いの方にお茶の草木をいただきに行ってきました。
お茶の木は 10月から11月に花が咲くそうで、この日も白いきれいな花が咲いていました。 ミカン箱3箱のお茶の草木を、これから山形県白鷹町に持って行っていただきます。