最初に断っておきます。自己流の楽しみ方なのであしからず。
数年前のこと。
着物屋として歌舞伎ぐらい知っておかなければと使命感に駆られまして、歌舞伎を見に行きました。
はっきりいって何を見たのかも覚えておりません。
幕がひらき、最初は耳をこらして何と言っているのか神経を集中させるのですが、
次第にあきらめの気持ちの方が勝ちだし、
いけないいけないと何度か戦うのですが、
・・・・・・・zzz、zzz、zzz。
気がついたら周りがざわざわ。
『あれ、終わっちゃった!』
学生時代からそうなのですが、難解なものにぶつかると眠ってしまう癖があるようです。(というのは冗談ですが・・・)
これが、歌舞伎の第一印象。
そんなわけで、そのあとは歌舞伎をなんとなく遠巻きに見ている数年間。
あるとき、お客様とまたまた歌舞伎を見に行くことになります。
『義経千本桜』
まえの苦い経験があるので今度はお客様に聞かれたら答えれるようにと、図書館で歌舞伎の本を借りてきて、予習をしていきました。
これがよかったのか、はじめてのときとは違い、話の筋がなんとなくわかるではありませんか。
興味がそそられ家に帰っても、見た演目を思い起こしながら、歌舞伎の本を読み返しました。
すると、見る前には頭に入らなかった人物像や細かい説明がスムーズに入ってくるではありませんか。
そこで、気がつきました。歌舞伎って歴史の勉強に似ていると・・。
学生時代、歴史の教科書の字面だけをおって、丸暗記しているうちは、頭の中にイメージがわかず、すぐにわすれてしまう。
でも、三国志の漫画を読んだおかげで、その時代のイメージが突破口がとなり、前の時代、後の時代、また、世界の他の地域では何が起こっていたのかというように広がってゆく。
歌舞伎もそんなイメージに近いような気がします。
日ごろ見ているドラマの延長で見てしまうと、話の展開がわからなくなった時点でアウトですが、
あらかじめ、話の筋をつかんでおくと、
『なるほど、このシーンはこんな意味があるんだな』
と興味を持てるポイントが増えていくわけです。
歌舞伎はわかることの楽しさというか、歌舞伎の演目を純粋に見るというのは歌舞伎の楽しみ全体の中では2割ぐらいで、
あとは歌舞伎の本を読むことだったり、
テレビで歌舞伎役者のドキュメンタリーを見ることだったり、
歌舞伎の好きな方とお話しすることだったり、
劇場にいってお弁当を食べることだったり、
歌舞伎を見に行くのにどんな着物を着ようか迷うことだったり、
歌舞伎を見に行くのにどんな着物を着ようか迷うことだったり
(あっ、2回言っちゃった、笑)
そんなわけで、先日歌舞伎ソムリエのおくだ健太郎先生のおくだ会で聞かせていただいた、一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)のDVDを買ってみました。
実際、お話を聞かせていただいた後なので、いろいろなシーンの意味もつかめすごくわかりやすかったです。実際一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)を劇場で見てみたいなー。きっともっと楽しめるのかなーなんて思います。