日本家屋の屋根には昔から鬼瓦が取り付けられています。これは厄除けの意味があり、古くはシルクロードを通って中国、そして日本へと伝わったもののようです。
我が家の屋根にも『水』と書かれた鬼瓦が家を守ってくれています。この『水』のマークは家が火事にならないようにという思いが込められているようです。実際『水』と書いてあるからといって火事にならないわけではないですが、何とも洒落が効いていて面白いと思いませんか。
昔の日本人は遊び心があって粋ですね。
さて、そんな昔の人の遊び心が見られるものが、着物の中にもあります。
それは江戸小紋です。
江戸小紋には鮫や行儀、角通しなど比較的格の高い柄と、いわれ柄といわれる江戸町人の遊び心の詰まった柄があります。
いわれ柄の代表的なものでは大根とおろし金の柄。意味は、大根がどんな食べ方としても当らないことから、当らない役者(大根役者)、おろし金は大根をおろす、つまり大根役者が役をおろされることから(役者にとっては縁起のいい柄ではありませんが・・・)、厄落としの意味が込められている柄です。
最高品質『松綱』の江戸小紋
江戸小紋の柄の中でも最も難しいのは細かく単純な柄。『極鮫』といわれる細かな鮫小紋柄は一か所でもミスをすると型紙が台無しになってしまうので、神経をすり減らす柄なのだそうです。
左の写真の江戸小紋は『超極道具彫り縞』という名前の柄。江戸小紋の型紙を彫る際に使われる彫刻刀の刃の形を集めて縞にしたという何とも通な柄です。
この柄は男女問わず羽織にしてもオシャレではないでしょうか。お値段は273,000円(仕立てなし)と決して安くはありませんが、しっとりとした肌触りのいい生地に創業100年以上の老舗の最高品質の染めは、何代にもわたって使ってほしい本物の江戸小紋です。
着物の楽しみは見えないところ!
4000種類以上ある型紙を保有の松綱さんでは色柄を指定してオーダーメイドで江戸小紋を作って頂くことができます。
左の写真の下の柄は楽器の柄。別誂えで染めた八掛(31,500円)なんです。
表に見えない八掛にこだわるのも着物の楽しみのひとつですね。
色々な楽器が詰まったこの柄は『楽器尽くし』という名前です。
この柄も『いわれ柄』なんです。
さて、この柄にはどんな意味があるのでしょうか?
楽器演奏に必要なのはハーモニーを大切にすること。つまり協調性。まわりとの和が大切な方は楽器の柄を身に着けてみてはいかが・・・。