着物姿に憧れがあっても、着こなすのは難しそうだから・・・なんて思っている方に、着物よりも気軽に着れる浴衣は、着物道への第一ステップ。夏の花火大会や夏祭りなどは、ぜひ浴衣を着てお出かけしたいものです。
今回は『大人の着こなし術』として、小物や帯選びそして立ち振る舞いなど、ゆかたをお洒落にそして気軽に着ていただくポイントのご紹介です。
大人の着こなしにとって、帯選びはとても重要。同じ浴衣でも帯の合わせ方でガラリと雰囲気が変わります。例えばシックな浴衣に赤や黄色、ピンクなどの帯(写真の左)を使うと浴衣らしいかわいらしい印象になります。
また水色系の色やモノトーン系の帯(写真の右)を合わせれば、大人度もアップ。その際、あまりシックにしすぎると若々しさがなくなるので、小物などで色味をプラスすることもポイントです。
また、帯結びも後姿を品良く女性らしく見せるポイントです。蝶結びや文庫結びなど、一般的なものより、少し大人っぽい銀座結びや貝の口などがおすすめです。夏の名古屋帯や博多の献上帯などを使ってお太鼓を作れば一層、きちんとした印象が楽しめます。
また、浴衣を自分で着れるようになると、帯が緩んでしまった時などに慌てることもなくなります。自分で調節が出来、着心地も良くなりますし、なによりも立ち振る舞いに余裕があることで、美しい着姿になります。
シンプルになりがちな浴衣姿も、帯留や帯締めなどの小物を使うことで、大人の着こなし度もぐんとあがり、より自分らしくキチンとしたお出かけ着として、オシャレの幅も広がります。気をつけたいのは暑さを感じさせないよう、あまりゴテゴテとした印象にならないようにして。着物のときのように色とりどり鮮やかに配色するよりも、抑えた色味で涼しげに、すっきりと見せるのがコツ。
すべてコーディネイトした後に、全身を鏡に映して、すっきりと涼感あふれるよう仕上げる工夫を。オシャレな日傘やバッグも浴衣ならではの楽しみの一つです。
せっかくのゆかた姿もその立ち居振る舞いで損をしてしまうことも・・。 慣れた洋服とは違い、袖や足元など気を使う部分が多くて戸惑うこともありますが、歩き方や姿勢などのポイントを少しおさえて、素敵なゆかた美人を目指しましょう。
歩く時
歩く時にまず気をつけたいのは、がに股歩きにならないようにすること。履きなれない下駄で歩くのは大変ですが、ゆかた姿でのがに股は、想像以上に品を無くして周りの視線を冷ややかにしてしまいます。そしていつもより少し歩幅が小さくなるように、つま先に重心をかけて歩くと、足さばきも楽に見た目もぐっとおしとやかになります。
階段で
また階段の上り下りの時には、すそが階段に触れて汚れてしまわないように気を配りましょう。浴衣の上前を手で持ち上げながら、体を前に斜めぎみに上り下りをすると動きも楽になります。
椅子に座る時
椅子に座る時も同様にすそが床に付かないように注意が必要です。
ここで背もたれに寄りかからないように浅めに腰掛けましょう。
せっかく美しく結ばれている帯の形をくずすことになってしまいます。
以上のように、洋服とは違いゆかたで動くときのポイントはそでとすそ、そして帯が立体的に結ばれているという事に気を配る、ということです。最初はなかなか自然におしとやかな立ちふるまいは出来ないものですが、いつもより少し女性らしい心配りが、より美しい大人のゆかた姿を演出してくれます。