13~14世紀が起源とされ、古くは王族や士族の衣装として発展してきた紅型。しかし王府の廃止に伴い王朝の染として発展してきた紅型は衰退し、追い討ちをかけるように第二次大戦で多くの紅型の型紙が消失し、紅型は存続の危機に陥ったそうです。
その時に尽力したのが、後の型絵染め人間国宝にもなる鎌倉芳太郎氏です。廃業した染屋さんから多くの型紙を集めていたため、多くの型紙が戦災をまぬがれ、のちの紅型の復興につながったそうです。
鎌倉芳太郎氏についてはまた別の機会に詳しく書こうと思いますが、鎌倉芳太郎氏のおかげで今日の紅型染めがあるといっても過言ではありません。
さてこの帯はどちらかというと落ち着いたトーンが特徴。紅型作家 金城盛弘 さんの名古屋帯です。本筋の南国独特の色使いや魅力という意味では薄いのかもしれませんが、上品な佇まいで着る人を引き立て、大人っぽいコーディネイトを演出してくれること間違いなしです。