江戸時代の武士の裃(かみしも)に柄を付けたのが発祥といわれる江戸小紋。その一番の特徴は、反物一面に散りばめられた白抜きの繊細な柄です。
江戸小紋は着用範囲の広い優れもの
江戸小紋は現在でも無地感覚の着物として紋を付ければ準礼装、紋を付けずに用いれば街着として着ることができ利用範囲の広い着物としてとても重宝します。江戸小紋の特徴は何と言っても、帯や着る人を引き立ててくれる名脇役であるということ。もともと裃の大きな紋を目立たせるために小紋柄を付けたということからもわかるように、江戸小紋は着姿が一番きれいになるように作られています。一見無地に見えても、細かな柄があることにより無地とは違った何とも言えない立体感があり、着姿がきれいなのも特徴です。また、江戸小紋三役(鮫、行儀、角通し)といわれる格調の高い柄から、いわれ柄といわれる町人文化から生まれた粋な柄も江戸小紋の楽しみのひとつです。例えば、大根とおろし金の柄の意味は、大根がどんな食べ方としても当らないことから、当らない役者(大根役者)、おろし金は大根をおろす、つまり大根役者が役をおろされることから(役者にとっては縁起のいい柄ではありませんが・・・)、厄落としの意味が込められている柄です。遠目に見たら無地、でも近くに寄ったら色々といわれのある柄が隠されている。日本人独特の粋な文化の象徴です。
松綱の江戸小紋は最高級の品質
松綱で保有している型紙は五千種を超え、百年を越える歴史からそのデザインは膨大で、色数、柄数を合わせるとその組み合わせは限りありません。松綱の江戸小紋はしっとりとした最高級の厳選された白生地を使っています。四代にわたり染めに携わってきた経験と技術は江戸小紋の中でも最高級といえる品質です。長きにわたりお使いいただくためにこだわりぬいた品質をお確かめください。
松綱の江戸小紋をご覧になりたい場合、色柄好みをお聞かせください。日程を調整のうえご用意させていただきます。また完全お誂え(ご指定の色でのお誂え)もたまわります。お気軽にご相談ください。
江戸小紋 参考上代189,000円~315,000円(仕立て代別)